大相撲の本場所において、土俵を大いにわかせ、記憶に残る歴史的勝利や大金星を挙げた力士に贈られる「殊勲賞」。土俵の勝敗だけでなく、その場所の盛り上がりや番狂わせを演出した活躍にスポットライトが当たる特別な賞として、ファンや関係者の間でも常に高い注目を集めています。
本記事では、大相撲の三賞の一つである殊勲賞の具体的な選考基準や受賞条件、歴代の傾向に加え、他の賞との違いまで、日本の国技である相撲をより深く楽しむための情報をわかりやすく解説します。
大相撲の三賞とは何か?殊勲賞の位置づけと概要

大相撲の本場所(1月、3月、5月、7月、9月、11月)の千秋楽に、日本相撲協会の三賞選考委員会によって決定・表彰されるのが「三賞」です。三賞には「殊勲賞」「敢闘賞」「技能賞」の3種類があり、それぞれ異なる受賞目的を持っています。
その中で殊勲賞は、主に横綱(または大関)を撃破した一番や、その場所の優勝争いに決定的な影響を与えた活躍をした力士に贈られます。いわゆる「金星」を挙げた力士が最も受賞しやすい賞として知られており、単に勝ち星を重ねるだけでなく、ファンの記憶に残る大仕事をしたプレイヤーに与えられる名誉ある賞です。
殊勲賞の受賞条件と具体的な選考基準
殊勲賞を受賞するためには、日本相撲協会が定めるいくつかの重要な条件と選考基準を満たす必要があります。ただし、明確な数値基準(例えば「何勝以上」や「金星を何個」など)だけで決まるわけではなく、委員会の総合的な判断が大きく影響します。
公式発表やこれまでの傾向に基づき、主な選考基準を整理すると以下のようになります。
- 横綱撃破(金星)の有無:平幕力士が横綱を破る「金星」の獲得は、殊勲賞受賞において極めて強力な要素となります。
- 上位陣に対する殊勲の勝利:横綱だけでなく、優勝争いの軸となる大関などの上位陣から貴重な白星を挙げた場合も対象となります。
- 勝ち越し以上の成績:原則として、その本場所で勝ち越し(8勝7敗以上)を収めていることが受賞の基本条件となります。負け越しでの受賞は例外的なケースを除き基本的にありません。
- 優勝争いへの貢献度:千秋楽まで優勝争いに加わっていたり、優勝の行方を左右するような大一番で勝利を収めたりした実績が評価されます。
大相撲三賞(殊勲賞・敢闘賞・技能賞)の比較一覧表
大相撲の魅力を語る上で欠かせない三賞について、それぞれの受賞対象や選考のポイントを分かりやすく比較・整理します。
| 賞の名称 | 主な受賞対象・条件 | 選考における重視ポイント | 代表的な受賞イメージ |
|---|---|---|---|
| 殊勲賞 | 横綱・大関撃破、優勝争いへの貢献 | 大金星、番狂わせを演じたインパクト | 平幕力士が横綱を寄り切りで破り、館内を沸かせた一番 |
| 敢闘賞 | 優れた闘志を見せた活躍、初受賞の若手など | 最後まで諦めない姿勢、規定勝数以上の好成績 | 連敗から立て直し、最後まで優勝争いに食い込んだ若手力士 |
| 技能賞 | 優れた相撲巧者、多彩な技を持つ力士 | 相撲内容の美しさ、相手を圧倒した技術の高さ | 小兵力士が多彩な足技や変化で大型力士を翻弄した取組 |
歴代の傾向から読み解く!殊勲賞を受賞する力士の特徴
これまでの本場所における受賞者の歴史を振り返ると、殊勲賞を獲得する力士にはいくつかの明確な傾向が見えてきます。特に「実力はあるものの、まだ上位陣への壁に挑む立場にある中堅・若手平幕力士」が受賞するケースが多くを占めています。
また、優勝争いのダークホース的存在が、終盤戦で優勝候補の横綱や大関を破ることで一気に受賞を引き寄せるドラマチックな展開も少なくありません。報道各社の取材データや過去の傾向によると、殊勲賞は「その場所の最大のトピック」を作り出した力士に贈られる傾向が強く、ファンの記憶により深く刻まれる名誉となっています。
敢闘賞や技能賞との違いと、相撲観戦がもっと面白くなる見方
大相撲を観戦する際、勝敗の行方だけでなく「この力士はどの賞を狙えるか」という視点を持つと、取組の面白さが何倍にも膨らみます。特に殊勲賞と他の一部の賞がどのように使い分けられているかを知ることは重要です。
例えば、同じように活躍した力士であっても、圧倒的なパワーや気迫で白星を重ねた場合は敢闘賞、得意の技や美しい投げ手を駆使して勝った場合は技能賞、そして上位陣を倒して大波乱を起こした場合は殊勲賞というように、活躍の質によって受賞する賞が明確に分かれます。千秋楽の表彰式でどの力士がどの賞に選ばれるのかを予想しながら観戦するのも、大相撲ならではの醍醐味といえます。
【殊勲賞とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:殊勲賞を受賞すると、力士の給与や番付にどのような影響がありますか?
A1:三賞の受賞は力士にとって名誉であると同時に、受賞回数や実績が将来の昇進や評価においてプラスに働きます。また、受賞時には賞金が授与されるなど、金銭面やモチベーションの面でも大きな意味を持ちます。
Q2:横綱に勝たなければ殊勲賞は受賞できませんか?
A2:必ずしも横綱からの勝利(金星)が必須というわけではありません。大関を破った場合や、優勝争いに大きく影響する上位戦での勝利、あるいは場所を大いに盛り上げた総合的な実績が評価されて受賞するケースもあります。
Q3:負け越した力士が殊勲賞を受賞することはありますか?
A3:原則として、その本場所で勝ち越し(8勝以上)を収めていることが受賞の前提条件となります。負け越した力士が選出されることは極めて異例です。
まとめ:殊勲賞が示す大相撲の魅力と今後の注目ポイント
大相撲の殊勲賞は、単に「勝った負けた」の記録を超えて、土俵上のドラマや番狂わせ、力士たちの闘志を称えるために設けられた極めて重要な賞です。横綱や大関という高い壁に立ち向かい、歴史的な白星を挙げる力士たちの姿は、いつの時代も多くのファンを魅了し続けています。
本場所を観戦する際は、上位陣との対戦カードや優勝争いの行方だけでなく、殊勲賞の行方を意識してみることで、大相撲の奥深さや歴史の重みをより一層リアルに感じ取ることができるでしょう。