自由民主党所属の元衆議院議員・杉田水脈氏を巡り、国政選挙における「選挙区の変遷」や「直近の当落結果」に大きな注目が集まっています。かつて比例中国ブロックなどで強固な保守支持層を背景に議席を獲得してきた杉田氏ですが、近年は公認や選挙区の調整が難航し、激動の政治展開を経験してきました。
報道各社や選挙管理委員会の確定データによると、第51回衆議院議員総選挙(2026年2月8日投開票)において、杉田氏は大阪5区から出馬したものの落選し、比例近畿ブロックでの復活当選も果たせませんでした。なぜこれまでの地盤を離れて大阪5区へ挑むことになったのか、そして過去の「人権侵犯」認定などは選挙戦にどう影響したのか、公的記録と客観的事実に基づきその全貌を整理します。
【現在の選挙区と当落結果】2026年衆院選における大阪5区の開票実態

「杉田水脈氏の選挙区は現在どこなのか」という疑問に対する公式記録上の結論は、第51回衆院選(2026年2月)における「大阪5区(大阪市東淀川区・淀川区・西淀川区・此花区)」です。自民党公認として小選挙区に出馬し、比例近畿ブロックとの重複立候補を行いました。
選挙ドットコム等の開票データによると、投開票の結果、杉田氏の獲得票数は48,051票となり、小選挙区での当選ラインには届きませんでした。加えて、自民党が近畿ブロックで獲得した比例議席における惜敗率争いでも及ばず、比例復活も果たせないまま議席を失う結果(前衆議院議員)となっています。
大阪5区は長年、公明党の重鎮が強固な地盤を築いてきた地域であり、与野党の構図変化に伴って自民党が独自候補として杉田氏を擁立した経緯がありました。しかし、結果として保守層の固め直しと無党派層の取り込みを両立させることができず、厳しい審判が下された形です。
【選挙区変遷の歴史】兵庫6区・比例中国ブロックから大阪5区への軌跡
杉田氏の国政での歩みを振り返ると、所属政党の再編や党内事情により、立候補エリアが大きく移り変わってきた特異な経歴が見て取れます。それぞれの時期における立場と選挙区の変遷を検証します。
2012年の第46回衆院選において、杉田氏は日本維新の会から兵庫6区(伊丹市・宝塚市・川西市など)で初出馬しました。小選挙区では敗れたものの、比例近畿ブロックで復活当選を果たし政界入りを記録。その後、次世代の党を経て自民党へ移籍しました。
自民党移籍後の第48回(2017年)および第49回(2021年)衆院選では、小選挙区を持たない比例中国ブロックの単独候補として上位優遇され、連続当選を重ねました。しかし、2024年の第50回衆院選前後には政治資金収支報告書の不記載問題や過去の言動を巡る党内調整から公認や比例上位優遇が見送られ、最終的に新たな小選挙区として選ばれたのが大阪5区でした。
| 選挙・時期 | 立候補選挙区 / ブロック | 公認党派 | 当落結果・獲得票数 | 備考・経緯のポイント |
|---|---|---|---|---|
| 第46回衆院選(2012年) | 兵庫6区(比例近畿重複) | 日本維新の会 | 小選挙区落選 / 比例近畿で復活当選 | 国政初当選。79,187票を獲得し比例復活 |
| 第47回衆院選(2014年) | 兵庫6区(比例近畿重複) | 次世代の党 | 落選(比例復活ならず) | 42,011票にとどまり議席を失う |
| 第48回衆院選(2017年) | 比例中国ブロック(単独) | 自由民主党 | 当選 | 自民党へ移籍。名簿上位登載で国政復帰 |
| 第49回衆院選(2021年) | 比例中国ブロック(単独) | 自由民主党 | 当選 | 比例単独で3期目の当選を果たす |
| 第51回衆院選(2026年) | 大阪5区(比例近畿重複) | 自由民主党 | 落選(48,051票 / 比例復活ならず) | 大阪5区に国替え出馬するも議席獲得ならず |
【落選に至った客観的要因】なぜ比例復活も叶わなかったのか
2026年の衆院選において、なぜ杉田氏は小選挙区で敗れただけでなく、比例復活も果たせなかったのでしょうか。報道各社の選挙情勢分析や政治記者の取材記録から、複数の構造的要因が浮き彫りになっています。
第1の要因は、「2度におよぶ人権侵犯認定」を巡る強い世論の反発です。法務省の法務局は過去、杉田氏が在日コリアンやアイヌ民族の民族衣装を巡って発信した内容について、人権侵犯の事実があったと認定しました。選挙期間中も街頭演説の現場などで市民団体や有権者から抗議の声が相次ぎ、批判的な言説が全国的に報じられたことで、都市部の無党派層や浮動票の離反を決定づけました。
第2の要因は、強固な岩盤を持つ日本維新の会や野党候補との競合です。大阪府内の小選挙区は地域政党・大阪維新の会を母体とする日本維新の会が非常に強固な組織力を維持しており、自民党公認であっても知名度や保守色のみで小選挙区を勝ち抜くことは極めて困難な環境でした。
第3の要因は、惜敗率の低さと党内順位です。比例復活は「小選挙区の当選者の得票数に対し、落選者がどれだけ票差を詰めたか(惜敗率)」で決まります。杉田氏の得票数は48,051票にとどまり、当選者との得票差が大きく開いたため惜敗率が低迷。比例近畿ブロックの自民党復活枠に手が届きませんでした。
【言動と人権侵犯問題の経緯】政治姿勢に寄せられた賛否両論
杉田氏の政治活動を語る上で避けて通れないのが、度重なる言動を巡る論争です。月刊誌への寄稿における性的少数者(LGBT)に関する表現や、国際会議の参加者を巡るインターネット上での記述は、国内外で大きな議論を呼びました。
2022年、総務大臣政務官に起用された際もこれらの過去発言が野党から厳しく追及され、最終的に政務官を辞任する事態へと発展しました。さらに2023年には、札幌法務局および大阪法務局がそれぞれ「人権侵犯」に該当すると判断し、本人に対して啓発などの措置を実施しています。
一方で、保守派の論客や一部支持層からは「伝統的な家族観や国益を率直に代弁する政治家」として熱心な支持を集め続けてきた側面もあります。しかし、全国規模の比例上位優遇から都市部の小選挙区単独勝負へと置かれた環境が変わったことで、支持の広がりと批判の強さという二面性が選挙結果に直結することになりました。
【2026年最新動向】議席喪失後の活動と今後の焦点
衆院選での落選以降、前衆議院議員となった杉田水脈氏はどのような動きを見せているのでしょうか。政治活動の現状と今後の焦点は主に3点に集約されます。
1つ目は、地域に根ざした政治活動の継続か、再度の国替えかという点です。大阪5区で獲得した約4.8万票の支持基盤を維持しながら次回選挙に向けて地道な辻立ちやミニ集会を続けるのか、あるいは別の選挙区や参議院選挙などを視野に入れるのか、党大阪府連との関係性を含めて注目が集まっています。
2つ目は、言論人・オピニオンリーダーとしての発信活動です。国会という発言の場を失ったものの、YouTubeや言論誌、保守系シンポジウムなどでの発信力は依然として健在であり、SNSを中心とした独自のコミュニティに向けた情報発信を積極的に展開しています。
3つ目は、自民党執行部との距離感です。党内保守派議員との連携を維持しつつ、党の公認基準やコンプライアンス遵守の方針とどのように折り合いをつけていくのかが、将来的な公職復帰の現実味を左右する鍵となります。
【杉田水脈選挙区】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:杉田水脈氏の最新の選挙区はどこですか?
A1:直近の第51回衆院選(2026年2月)における公式な立候補選挙区は「大阪5区(大阪市東淀川区・淀川区・西淀川区・此花区)」です。比例近畿ブロックとの重複立候補でしたが、落選となり現在は議席を持っていません。
Q2:なぜ過去に比例中国ブロックから出馬していたのですか?
A2:自民党へ移籍した2017年衆院選および2021年衆院選において、党本部の判断により比例中国ブロックの単独候補(名簿上位)として公認されたためです。これにより小選挙区を経ずに当選を重ねていました。
Q3:大阪5区で比例復活できなかった具体的な理由は?
A3:比例復活は小選挙区での惜敗率(当選者得票に対する割合)の高い順に決定されます。杉田氏は獲得票数が48,051票にとどまり、当選者との差が大きかったため惜敗率が伸びず、自民党が近畿ブロックで確保した復活枠に入ることができませんでした。
まとめ:激動の選挙区変遷が物語る今後の課題
杉田水脈氏の選挙区は、初当選時の「兵庫6区(比例近畿)」から、安定した議席を得ていた「比例中国ブロック単独」、そして激戦区となった「大阪5区」へと目まぐるしく変化してきました。
2026年衆院選での落選は、過去の言動や人権侵犯認定による逆風が都市部小選挙区において極めて大きかったことを証明しています。コアな保守層からの支持を保ちつつ、幅広い有権者の納得を得られる説明責任を果たせるのかどうかが、今後の政治活動における最大の試金石となります。